ベルギーの炭鉱労働者が飲んでいたという低アルコールビール。ホップが爽やかに香り、酸味はなく、ライトボディでグイグイと飲めるドライなビールです。ラベルの灰色は「グリゼット(和名:ノドジロムシクイ)」という灰色の鳥を、水色はこのビールの生まれたベルギー・ワロン地方の豊富な水源を表しています。
産業革命当時の鉱山遺跡が世界遺産にも登録されている程、盛んに採掘作業が行われていたベルギーのワロン地方で生まれ、そこで働く炭鉱労働者が渇いた喉を潤すために飲んでいた低アルコールビール、それがグリゼットです。
同じくベルギー発祥のセゾンとも近いとされていますが、常に小麦を使用する点で違っています。酸味はなくドライなゴールデンカラーの低アルコールビールというのが伝統的なスタイルとされているので、大山Gビールでも爽やかに香るホップと軽やかな喉越しのビールに仕上げられるよう、レシピを組みました。
ただそこは現代版グリゼットとして、若干のアレンジも加えています。
ベルジャン系酵母に良く見られるフェノーリックさもありつつ、今回使用したホップであるニュージーランド産の新顔・スーパーデリックが特徴的なトロピカル香を放っています。少しキャラクターの強いホップかとは思いましたが、ジューシーさを演出するのに一役買ってもらっています。
大山Gビールでは初挑戦となりますが、小麦を使用したスタイルという意味では、ヴァイツェンやウィートワインを醸造する弊社の得意分野とも言えます。
また低アルコールビールにありがちな物足りなさを感じることが無いように、ライムギのモルトとビスケットモルトを加えて、穀物感が出るようにしています。またホップ由来のビターネスも確りと。
少量醸造のこの貴重な機会に、是非味わっていただきたいビールです。