高いアルコール度数を持ちながら、非常にドライな飲み口のIPA。
3種類のアメリカンホップを2回に分けてドライホッピングすることによってトロピカルでジューシーなビールに仕上がっています。
Brut D-IPAの名は…
Brutは、フランス語で極辛口
Dは、ダブル
IPAは、言わずもがな
少し前に流行った「Brut IPA」をハイアルコールで造ったのが、今回のビールです。
Brut IPAは、糖を分解する酵素を使用してドライなビールを作ります。
酵母単体での発酵が終わりかけた頃のタンクに、直接グルコアミラーゼという酵素を投入しています。
ここから、少し難しい話をします。
ビールに残っていた非発酵性の大きい糖が、発酵性のある単糖類であるグルコースに分解されていきます。説明を加えるならば、酵素が大きな塊を小さくちぎって、酵母が食べやすい形にしてくれるイメージでしょうか。
元々発酵度の低いはずのイングリッシュ系酵母を使用しましたが、見事に糖を食べきってくれました。
糖度計は最終的に0を超えて、マイナスとなって測定不能になりました。
IPAの主役と言っても良いホップは、発酵が盛んな時期にシトラとモザイク。落ち着いてきた頃にサブロを使用して、ドライホップを行いました。
前半にシトラスやトロピカルな香りを多く持つホップ、後半にトロピカルながらバラ様の香りも持つホップを入れることによってバランスを整え、豊かな香りが得られるように設計いたしました。
1口含むと、とてもドライな口当たりで飲みやすく感じる一方、口の中に豊かなアルコールの甘さを感じることができます。
喉のあたりが少し暖かくなるようなビールですので、この季節に是非。