2022年・2023年とリリースし、大変好評だった柚子を使用したサワーヴァイツェンも今回が3回目の仕込となりました。
今回も前回と同じくDAISEN GRAND BREWシリーズとして製造。大山産麦100%と大山産柚子にこだわりました。この柚子は、近年お世話になっている大山の麓にある須田農園 “ゆずおじさん” の無農薬無化学肥料栽培の柚子です。
今回も11月に入って黄色に色付いてきた柚子を70kg収穫し、ブルワリーにて果物ナイフで一個一個皮をむきました。やはりこの作業が一番大変ですが、作業部屋はこの季節ならではの柚子の香りに包まれます。
数日かけてむいた皮は業務用ミキサーで細かく粉砕し、実の方はハンドジューサーでこれまた一個一個搾って果汁を取り出します。
一方工場内の特別な取り組みとしては、2019年以来行っている乳酸菌による乳酸発酵を行います。6年目とはなりましたが、やはり乳酸菌による汚染の可能性もあって慎重を要する仕込です。今回も久米桜酒造の清酒「八郷」の生酛から採取した乳酸菌を使用しています。
この乳酸発酵を行なった麦汁に柚子を投入した時の仕込室は、本当に良い香り。ハイリスクですがこの瞬間にハイリターンな気分になります。
今回も柚子の爽やかな香りにりんごっぽさや白ワインっぽさが合わさり、口に含むと程よい酸味と渋味が感じられます。厚みのある印象ですが、飲み込むとまたすぐにグラスに手が伸びるドリンカビリティーがあります。
今年はこの「旭実昇天」を新年のビールとして飲んでいただきたいと思い、年内12月25日にリリースいたします。ちなみにこの「旭実昇天」のネーミング、元になった四字熟語「旭日昇天」とは勢いがきわめて盛んなたとえです。「旭日」は朝日のことを指しますので、朝日が勢いよく天空に昇る意から取っています。
緑色から黄色に変化した朝日のような柚子を収穫しビールに使用していますので、初日の出と共に新年を迎えるその時に、立ち昇る爽やかな柚子の香りと酸味を堪能していただきたいと思います。
これを飲んだ全ての人が一年元気に過ごせますように、と願って仕込みを行いました。
今回のボトルは新年特別ラベルですし、是非このビールで新年に祝杯を♪